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相続手続き全体の流れ

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遺言があるかの確認

被相続人が遺言を遺していた場合、法定相続よりも優先されます。

まずは遺言があるかどうかを確認してみましょう。

ある場合は検認の申し立て

自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合、遺言書の状態や内容を確認する検認が必要になります。

家庭裁判所から検認済証明書を発行してもらうまで遺言書を開封してはいけません。

検認をせずに勝手に開封してしまうと「5万円以下の過料」というペナルティが科される可能性があります。

相続財産の調査と戸籍収集

遺言の有無が確認できたら、戸籍の調査をして相続人の確定をします。

役所で被相続人の戸籍を確認し、被相続人の結婚や離婚、養子縁組などの記録を頼りに調べます。

相続登記をする場合、相続人全員の本籍が書かれている住民票が必要になってきます。

法定相続人の数によって相続の割合は変わってきますし、遺産分割協議がまとまった後に新たな相続人が発覚する可能性もあるので、しっかりと相続人を調査しましょう。

相続財産の調査と財産目録の作成

被相続人の預金通帳や郵便物、固定資産税の通知書などから相続財産となる現金や不動産を調べていきます。

財産目録は必ずしも作成しなければならないものではありませんが、相続税の申告の要否の判断や相続税の納付額の判断、などに役立つため、作成すると良いでしょう。

その際、債権やローンなどのマイナスの財産も相続財産に含まれます。香典や死亡退職金などは相続の対象とならないので注意しましょう。

また、財産に不動産がある場合、名義変更(登記)に登記事項証明書が必要になりますのでこちらも取得しておきましょう。

相続の承認または放棄の決定

相続財産を調査した結果、マイナスの財産の方が多かったというケースもよくあります。その場合、相続を放棄することによって負債を受け継ぐことはありません。ただし、相続放棄の期限は相続の開始から3か月なので注意が必要です。

放棄や限定承認をする場合、相続放棄申述書や戸籍謄本など被相続人と相続人の関係性によって必要書類が変わりますので注意が必要です。

遺産分割協議書の作成

遺言書が無い場合、相続人同士で遺産分割協議を開き、相続財産をどう分け合うかを決める必要があります。その際、その協議内容を遺産分割協議書にまとめる必要があります。遺産分割協議書には相続人全員の署名・捺印(実印)が必要であり、相続登記の際には全員の印鑑証明書も添付します。

納得のいく財産の分け方ができず、遺産分割協議がまとまらない場合があります。その際、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをします。調停がまとまらなかった場合は裁判官が遺産分割審判を行います。

相続税の申告・納付

相続開始から10か月以内に相続税の申告と納付をしなければなりません。

相続税の申告には相続税申告書、相続人の確定や遺産の分け方についての資料、相続財産についての資料が必要になります。

被相続人が死亡した際の主な届け出

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死亡届の提出

7日以内に、被相続人の死亡地、本籍地、届出人の所在地、住所地のいずれかの市区町村役場に死亡診断書もしくは死亡届を提出します。

年金の受給停止の届け出

被相続人が年金受給者であった場合、年金の支給停止手続きをする必要があります。

期限は厚生年金の場合は死後10日、国民年金の場合は死後14日以内です。

年金受給者死亡届(報告書)、故人の年金証書、死亡診断書のコピーなどの故人の死亡の事実を明らかにできる書類を年金事務所または年金相談センターへ提出する必要があります。

この手続きを行わないと不正受給となる可能性がありますので、速やかに行いましょう。

世帯主変更届の提出

被相続人の死亡後14日以内に新世帯主もしくは委任状を持った代理人が世帯主変更届を提出しなければなりません。
本人確認書類、印鑑、(委任状)を持って住まいの地域の役場窓口に行きましょう。

国民健康保険資格喪失届

被相続人の死亡後14日以内に国民健康保険資格喪失届を住民地の市区町村役場に提出する必要があります。

生命保険を請求

生命保険に加入している場合、原則3年以内に生命保険会社に生命保険の請求を行う必要があります。

生命保険会社に連絡すると被保険者の住民票や受取人の印鑑証明などの必要書類の案内を請求書が送られてきますので、保険金受取人が手続きをする必要があります。

所得税の準確定申告

被相続人が自営業やフリーランスなどの場合、準確定申告が必要になります。相続が開始してから4か月以内に行わなければならず、相続人全員の連署が必要になりますので、相続人同士の協力も必要になります。

自分でやるかどうかの基準

以下のような条件が揃っていれば、自分で相続手続きを始めてもよいでしょう。

  1. ・配偶者と子供だけが相続人の場合
  2. ・時間に余裕がある場合
  3. ・根気強く対応できる

相続人の関係が複雑になると、必要書類の準備だけでギブアップというケースもあります。

また役所へ何度も通うことになりますが、基本的に平日の昼間しか開いていないので時間に余裕がなければ相続手続きは進められません。

手間や専門知識も必要になるため、根気強さがなければ自分で相続手続きは難しいといえます。

相続手続きに必要な書類

  書類名 発行機関 発行手数料
どのパターンでも必要 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式 本籍地の市区町村役場 1通450円~750円
被相続人の戸籍附票 1通300円
相続人全員の戸籍 1通450円
新たに登記名義人となる相続人の戸籍附票 1通300円

固定資産税証明書

or

固定資産税課税明細書

固定資産税証明書

→不動産所在地の市区町村役場

1通200円~400円

固定資産税課税明細書

→毎年、各自治体が自宅に送ってくれる

無料
登記申請書

自作

遺産分割協議を行った場合 遺産分割協議書 自作
印鑑証明書 各相続人の住所地の市区町村役場 1通300円
遺言書がある場合 遺言書 自筆証書遺言:自作
公正証書遺言:公証役場にて遺言書の正本・謄本がもらえる 謄本を紛失しても再発行が可能:1ページ毎250円
相続放棄を行った相続人がいる場合 相続放棄申述受理証明書 相続放棄の手続きを行った家庭裁判所 1通150円

遺産相続でトラブルになりやすい3つのポイント

1.誰に(相続人と相続分)

 ・誰が相続人になるのか?

 ・自分はどれだけ相続できるのか?

 ・相続人間の不公平を調整するには?

>> 詳しくは法定相続と相続人のページをご覧下さい。

2.何を(遺産)

 ・何が遺産になるのか?

 ・遺産の評価の仕方は?

 ・借金がある場合はどうなるのか?

 >> 詳しくは遺産の分類と相続方法のページをご覧下さい。

3.どう分けるか?(遺産相続の方法)

 ・どんな分け方があるのか?

 ・自分にはどの分け方がよいのか?

 >> 詳しくは遺産分割協議の種類のページをご覧下さい。

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